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製造トレーサビリティのデジタル化
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品質管理・DX

製造トレーサビリティのデジタル化

紙の検査記録をデジタル化し、製番単位の完全トレーサビリティを実現。顧客クレーム対応時間を85%削減。

トレーサビリティ品質管理デジタル化MES検査記録

背景

産業用ポンプを製造するETO製造業。製番(受注番号)ごとに異なる仕様の製品を年間300件製造していた。各工程の検査記録は紙の検査成績書に手書きで記録され、完成後に製番ごとのファイルに綴じて保管していた。

顧客から品質クレームが届いた際、「どの材料ロットを使ったか」「誰が検査したか」「検査値はいくつだったか」を調査するために、担当者がファイルを手作業で探す必要があり、1件の原因調査に平均3時間かかっていた。

課題

ソリューション

タブレット入力と製番バーコードによるデジタル検査記録システムを構築した。

システム構成:

  1. タブレット入力端末: 各検査ステーションにiPad mini(防塵カバー付き)を設置
  2. バーコードスキャン: 製番・部品ロット番号をバーコードで読み取り、手入力エラーを排除
  3. 検査フォーム: 製番をスキャンすると、その製品の仕様・検査基準が自動表示(Web App)
  4. データベース: PostgreSQL(クラウド)に検査記録を保存。製番・検査員ID・タイムスタンプ・測定値を構造化して格納
  5. 自動合否判定: 入力された測定値と検査基準値を自動比較し、合否を即座に表示。NGの場合は次工程への移動をブロックするアラートを表示
  6. レポート生成: 製番指定で検査成績書PDFを自動生成(監査・顧客提出用)

導入の工夫:

現場オペレーターへの展開において、「タブレットが使えない」という抵抗を最小化するため、フォームの設計をできるだけシンプルにした。数値入力は数字キーボードのみ、選択項目はタップ式、文字入力は必要最小限にとどめた。展開前に1週間のトライアル期間を設け、現場フィードバックをフォームデザインに反映した。

開発工数: 約6週間(フロントエンド開発3週間、バックエンド・DB設計2週間、現場展開1週間)

結果

指標BeforeAfter
クレーム原因調査時間平均3時間平均27分(85%削減)
品質監査の記録準備時間2〜3日30分(PDF自動生成)
検査記録の紛失年間数件0件
品質データの分析活用不可(手書きのため)月次不良傾向レポート自動生成

導入後、クレーム対応の所要時間が劇的に短縮されたことで、顧客への回答速度が向上し、顧客満足度の改善にも貢献した。また蓄積した品質データを使った傾向分析が可能になり、特定工程の測定値ドリフトを予兆段階で発見・是正する改善も生まれた。

現在は蓄積データを活用した「工程能力指数(Cpk)の自動計算・アラート機能」の追加開発を進めている。

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