この記事で分かること
Claude Proを週3〜5日、1日3〜8時間ほど使うと、モデル(Opus / Sonnet / Haiku / Fable)とエフォート(思考の深さ)の選択肢が多くて迷う。「結局どれにしておけば枠を無駄にしないのか」を、Anthropic公式の一次情報だけで検証した。
結論
迷ったら「Sonnet 5 / エフォート低」に置きっぱなしでよい。 難しい作業のときだけ Opus 5 に切り替える。
用途別:この時はこの設定
| 場面 | モデル | エフォート | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 学習・勉強チャット | Sonnet 5 | 低 | 知識系ベンチで低は既定比 −1〜3pt、コストは33〜50% |
| 調べもの・リサーチ | Sonnet 5 | 低 | DeepResearch Bench II: Sonnet 5 $1.20/件 vs Opus 5既定 $6.71/件(5.6倍) |
| アプリ開発(通常) | Sonnet 5 | 中 | 中は既定の精度をほぼ維持しコスト70〜87%。低だとコーディングで落ちる |
| アプリ開発(難所)設計判断・原因不明バグ・大規模改修 | Opus 5 | 低 | Opus 5低が Sonnet 5高に精度・コストとも勝つ(下記) |
| サイト運営・文章仕事 | Sonnet 5 | 低 | 知識作業。エフォートを上げても測定可能な差が出ない |
| 定型・大量処理(整形・分類・変換) | Sonnet 5 | 低 | Haiku 4.5は半額だがエフォート非対応・文脈200K・退役期限が最短 |
| 枠が残り少ない週末 | Sonnet 5 | 低 | 低は中より1.5〜2.3倍の容量効率 |
結果が不満なときの上げ方
まず Sonnet 5 / 低 で投げる
↓ 結果が不満
エフォートを1段上げる(低→中) ← モデル変更より先にこれ
↓ まだ不満
Opus 5 / 低 に変える ← ここで初めてモデルを変える
↓ まだ不満
Opus 5 / 中
避けたいのは「Sonnet 5のエフォートを最大まで上げる」こと。次節のとおり、Sonnet 5の高はOpus 5の低に精度でもコストでも負けるので、上げ切る前にOpus 5の低へ移るほうが得になる。
根拠1:エフォートは「低」で十分なことが多い
知識作業(学習・調査・文章)でのエフォート別の公式実測はこうなっている。
“low gave up 1 to 3 points for a third to a half off the cost per task, medium matched the default’s accuracy at about 70% to 87% of its cost, and the default bought nothing measurable over medium on any of the four.”
| エフォート | 既定(高)比の精度 | 既定(高)比のコスト |
|---|---|---|
| 低 | −1〜3ポイント | 33〜50% |
| 中 | 同等 | 70〜87% |
| 高(既定) | 基準 | 100% |
低は中に対して1.5〜2.3倍の容量効率で、失うのは1〜3ポイントだけ。既定の「高」は、中に対して測定可能な上乗せがなかった。
根拠2:「安いモデル+高エフォート」より「良いモデル+低エフォート」
SWE-bench Proサブセットでの公式実測(課金額ベース):
| 設定 | 正解率 | 1問解くごとのコスト |
|---|---|---|
| Opus 5 / 低 | 84.0% | $0.25 |
| Sonnet 5 / 既定(高) | 77.4% | $0.84 |
| Opus 5 / 既定(高) | 91.7% | $1.01 |
| Fable 5.1 / 低 | 88.6% | $0.54 |
Opus 5の「低」は、Sonnet 5の「高」より精度が6.6ポイント高く、コストは約70%安い。Anthropic自身も原則として明記している。
“The cheapest upgrade is the new model at a lower setting.” (最も安い性能向上は、新しいモデルを低い設定で使うこと)
根拠3:Opusを常用できない理由(Proの枠は4つある)
Proの枠は1つのプールではなく、次の4つのバケツに分かれている。
| バケツ | リセット |
|---|---|
| セッション枠(全モデル共通) | 5時間ローリング |
| 週間枠(全モデル共通) | 週1回・アカウント固定時刻 |
| Opus専用上限 | 5時間 |
| Sonnet専用上限 | 5時間 |
Opusは共通プールを消費したうえに、専用の天井がある。1日3〜8時間Opusに常駐すると天井に当たり、強制的にSonnetへ落とされる。だから「普段はSonnet、難所だけOpus」が構造上いちばん安定する。
よくある誤解
「Opus 5は枠を2.5倍速く消費する」→ 公式の根拠なし
ネットでよく見る数字だが、Anthropicはどこにも書いていない。公式の記述は次のような定性的なものだけだ。
“Opus costs several times more per turn than Sonnet” — support.claude.com「models-usage-and-limits-in-claude-code」
2.5倍という数字はAPI単価の比(Opus 5 $5/$25 vs Sonnet 5 $2/$10)であって、サブスク枠の消費比ではない。公式も両者を切り離している。
“Claude Max and Pro subscribers have usage included in their subscription, so the session cost figure isn’t relevant for billing purposes.” — code.claude.com/docs/en/costs
「エフォートを1段上げると消費が7倍」→ 図解の注記を見落としている
よく引用される「7倍」は、Anthropic自身が “Curves are for illustration purposes only… They do not represent real benchmark data” と注記した図が出どころ。実測値ではない。
「Sonnet 5は33%安い」→ 実質は15%
価格表では33%安く見えるが、4.7以降はトークナイザが変わり同じ文章で約30%多くトークンを消費する。公式実測での差は “15% less per solved task for 5 more points”。それでもSonnet 5が有利なのは変わらないが、倍率は盛らないほうがよい。
選ぶ理由がないモデル
| モデル | 入力/出力 (/Mtok) | 判定 |
|---|---|---|
| Haiku 4.5 | $1 / $5 | 退役期限が最短(10/15以降)・エフォート非対応 |
| Sonnet 5 | $2 / $10 | 普段使い |
| Sonnet 4.6 | $3 / $15 | Sonnet 5より高い |
| Opus 4.6 / 4.7 / 4.8 | $5 / $25 | Opus 5と完全同額で旧世代 |
| Opus 5 | $5 / $25 | 難所用 |
| Fable 5 | $10 / $50 | Fable 5.1と同額でキャッシュ読みが4倍高 |
| Fable 5.1 | $10 / $50 | Proでは枠外の別課金(クレジット必要) |
Opusの旧版(4.6〜4.8)はOpus 5と同じ価格なので、旧版を選ぶ金銭的なメリットはない。「他のモデル」メニューはAPIのバージョン固定用で、日常の選択肢ではない。
Proのままでいいのか
単位容量あたりの価格は、ProとMax 5xで完全に同額。
| プラン | 月額 | セッション枠 | 単位あたり |
|---|---|---|---|
| Pro | $20 | 1x | $20.00 |
| Max 5x | $100 | 5x | $20.00 |
| Max 20x | $200 | 20x | $10.00 |
つまり判断基準は「安いから」ではなくProの枠に収まるかだけ。
アップグレードの目安:設定>使用状況の週間バーが、リセット日前に70%を超える月が2回続いたらMax 5xへ。その時はモデルもOpus 5 / 低に変えるとよい(Opus専用上限が5倍に緩むため)。
枠を節約する設定以外のコツ
- プロジェクト機能を使う:プロジェクト内の内容はキャッシュされ、再利用時に枠を消費しない
- 会話を引きずらない:消費要因に「現在の会話の長さ」が含まれる。話題が変わったら新規会話に
- Fast mode(/fast)は使わない:サブスク枠外でクレジット直引き、通常Opusの2倍単価
- /usageで週間バーを確認する
公式にも分からないこと
- Proの枠の絶対量は非公開。トークン数・メッセージ数・時間数のいずれも公式数値がない。この記事の比較はAPI価格を代理指標にしている
- エフォート段階ごとの消費倍率も非公開
- Sonnet 5の「中」の実測値は未公開。公開されているのは「高」の値だけなので、「低」推奨には知識作業ベンチの相対値からの推論を含む
- Sonnet 5のベンチマーク数値は画像でしか公開されていない
- エフォートのスライダー段階が low / medium / high / xhigh / max に1:1対応するかは公式文書で未確認。手元のスライダーでラベルを確認してほしい
- 日本円価格は未確認(claude.com/pricingはUSDのみ)
出典
確認日:2026-09-19(すべてAnthropic公式)